何故か平家物語ほど知られていません。
安田登さんの見解は、太平記の長さにあると。
登場人物も多く、話しも複雑。
平家物語は清盛が他界し平家一門滅亡、と
滅亡後もすったもんだが続き、読み進めるほど
ややこしくなるとのこと。
(実はそこが面白いそうですが)
太平記 全40巻を3つの部に分けてみると、、
「第一部」 (巻1 〜12)
建武の新政が描かれている。
実権は持たず、遊蕩三昧で政治には無関心。
小栗旬、もとい義時は草葉の陰で泣いていた
でしょう。
「第二部」 (巻13〜21)
かっては協力して鎌倉幕府滅亡させた二人も
色々あって対立。
南北朝時代に。
「第三部」 (巻22〜40)
長く支え合ってきた足利尊氏、直義(ただよし)
兄弟の対立による内紛が混迷を極める。
二人の死を経て、尊氏の孫義満が三代将軍に。
という構成だそうです。
幕府、の道のりがよくわかっていなかったの
ですが、このテキストで少し理解出来ました。
意外だったのは、尊氏は実のところ優柔不断で
一人では決められない弱いリーダーだったとのこと。
でも逆に混迷の時を渡っていくには、時流に
身を委ねる頼りないぐらいのリーダーの方が、
チームとして大きな力に。
鳥の群れのリーダーは、その場その場で変わる
そうです。最も弱い鳥がリーダーになるとか。
気流の変化を掴んで空を渡る時、強い鳥が
先頭に立つと弱い鳥がついていかれなくなる
からだそうです。
人の上に立つ人は強けりゃいいってもんじゃないんだなぁ。
移民だらけの超大国でおじいちゃんが、
「強いアメリカを取り戻す」って息巻くのは
とっくに時代遅れなんじゃないかなぁ。